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交換印には、必ず、交換年月日を表示することになっていますから、手形、小切手裏面の交換印をみれば、いつ手形、小切手が呈示されたかは、一目ではっきりわかります。
資金化は三日目の午後午後一時(平日)に交換尻の決済が終了すれば、手形交換がその後変更されることはありません。
しかし、手形交換により呈示されたそれぞれの手形、小切手の支払いが、これと同時に確定するわけではありません。
支払銀行が交換呈示された手形、小切手を支払うのは、取引先に支払い義務があるかないか、支払う意思があるのかないのか、とは無関係に一応支払っているに過ぎません。
したがって、手形交換終了後、支払い拒絶すべきものであったことが判明すれば、その手形、小切手を持ち出した銀行へ返還して、いったん支払った手形、小切手の代わり金を無条件に支払ってもらえます。
手形交換所規則には、支払いに応じがたい手形、小切手があるときには、不渡り事由を付記して、交換日の翌営業日午前十一時までに、持ち出し銀行へ返還するものとしています。
銀行に入金したり、取り立て委任した手形、小切手が交換決済に付された場合には、必ず、この不渡り返還時限を経過しなければ、自分の資金とはならないのです。
当座勘定の約定では、不渡り返還時限が経過して銀行がその決済を確認したのちに、取引先の資金になるとしています。
したがって、銀行に入金または取り立てを依頼(一日目)した手形、小切手は、その日の翌日(二日目、休日を除く)の手形交換に持ち出されて相手の支払銀行へ渡り、さらにその翌日(三日目)不渡り返還の時限(午前十一時)が過ぎて決済が確認されることにより、入金人(取り立て依頼人)の当座預金となるわけです。
このように、手形交換の終了と、手形交換にかかったそれぞれの手形・小切手の資金化時限とは、一致しないということがわかります。
しかし、手形、小切手を当座勘定や普通預金に入金したら、通常、その日から三営業日目の午後になれば、自分の自由に使える預金になっていると考えてよいといえます。
手形交換高の動きそれでは、ここで手形交換所において交換決済される手形、小切手は、一体どの位あるのかを簡単に説明してみましょう。
全国にある指定手形交換所(現在約百八十ヵ所)が交換した手形、小切手は、過去二十年ほどで、別掲のとおりです。
平成五年には、手形、小切手枚数は約三億二千万枚に上っており、その総金額は実に三千二百六十兆円を数えます。
一日平均すると、だいたい百三十三万枚、十三兆二千六百十七億円ということになります。
これによって、手形、小切手が、いろいろな商取引や私たちの生活を順調に進めていくために、なくてはならないことが理解できます。
手形交換高の統計を長期にわたって眺めてみると、いろいろなことに気付きます。
交換決済される手形、小切手の金額は毎年伸びており、経済規模の拡大しつづけていることを物語っていますが、よく注意してみると、景気が必ずしも良くないといわれる時期にも、むしろ増えることがうかがえます。
企業が現金で支払っていた代金を、手形に切り換えたりするためとみられます。
また、最近数力年においては、手形、小切手が少しずつ減っている傾向にあることがわかります。
後述の手形、小切手をめぐる新しい動きでも説明しますが、別の決済手段が利用されるようになったり、手形の節約をするシステムが採用されることと無関係ではないと思われます。
手形交換高の動きは、私たちに経済動向や景気の状況を示してくれますから、金融上の大切な指標といえます。
ここに、平成四年度中の主要な手形交換所における手形交換高や不渡り手形、小切手の状況、それに次章で説明する銀行取引停止処分の統計を示しておきます。
これは各地における信用決済の状況を反映しているものといえます。
不渡りや銀行取引停止の状況については、別表にまとめてありますが、簡単にいえば、景気の良し悪しに対応して増減を繰り返していることがわかります。
このように、手形交換高や不渡りなどの統計は、経済の動きを知るうえで、貴重な情報を私たちに提供してくれますから、各方面で利用されています。
例えば、経済企画庁(日本経済指標)、日本銀行(経済統計年報)といった公的機関はもちろんのことですし、いろいろな研究所、大学、銀行などで、経済の分析のために活用されています。
手形、小切手を不渡りにすると、振出人または引受人は銀行取引停止処分を受け、手形、小切手が利用できなくなります。
特殊日本的な不渡り処分ですが、手形、小切手の支払い確保の手段として大きな効果を発揮しており、手形、小切手の利用者は、ぜひその仕組みを知っておかなければなりません。
不渡り処分のねらいと対象手形交換所の規則に定める取引停止処分制度は、一般に不渡り処分制度と呼ばれており、むしろその方が広く知られているといえます。
現在、この制度は、手形、小切手を不渡りにした振出人または引受人(最終支払い義務者)との間に、二年間、当座勘定取引および貸出取引を59禁止する銀行(金融機関という意味です)間の制度として運用されています。
この制度が始まったのは、遠く明治二十七年(一八九四年)にさかのぼるのですが、創設以来今日までそれぞれの時代の要請に適応できるようにいろいろと工夫改善が加えられてきています。
手形、小切手の円滑な決済が行われないと、手形、小切手そのものの利用に悪い影響を生じます。
不渡り処分制度は、正当な理由がないのに、手形、小切手の支払い義務を履行しない不渡り手形の振出人または引受人を、銀行取引から一定期間排除することを通じて、手形、小切手の健全な利用を促進し、かつ、手形、小切手による円滑な信用取引の維持に役立てようとするものです。
また、不渡り処分制度は法令にもとづくものではなく、手形交換所規則という、いわば私的自治規則にもとづいて行われており、直接的には参加銀行を拘束するだけですが、その結果として、取引停止処分を受けた人との取引を行わないことになりますから、取引停止処分を受けた小切手または約束手形の振出人あるいは為替手形の引受人は、経済活動上、多大の不利益を被ることになります。
そこに、不渡り処分制度の是非が問題とされる余地があるわけですが、手形、小切手取引の信用維持という公益目的に役立つものと評価されています。
いずれにしても、特に事業経営にあたり、手形、小切手の利用は不可欠ですから、不渡り処分というものの仕組み、効果などについて、一応理解しておくことが、どうしても必要であるといえるでしょう。
手形交換所で行われる手形交換では、手形や小切手ばかりでなく、債券、利札、配当金領収証、郵便為替証書、その他多種類の証券が交換決済されています。
これらのうち、不渡り処分の対象となる証券は、手形(約束手形、為替手形)、小切手(当座小切手、いわゆる郵便小切手)に限られます。
また、手形、小切手の関係人としては、振出人、引受人(為替手形のみ)、裏書人、保証人などが登場します。
不渡り処分は、これらの関係人のうち、小切手、約束手形の振出人および為替手形の引受人、つまり手形、小切手の最終支払い義務者のみを対象として行われています。
もっとも、振出人または引受人ならばだれでも不渡り処分になるというものでもありません。
その手形、小切手の呈示方法の如何により、取り扱いが若干異なっているからです。
つまり、手形交換所において支払い呈示された手形、小切手が不渡りになったときには、振出人または引受人を不渡り処分の対象としますが、たとえば、同じ銀行のA支店−B支店間で入金・支払いが行われる手形、小切手(行内交換手形といいます)が不渡りになったときなどには、その銀行に不渡り届を提出するかどうかの判断が任されていますので、必ず不渡り処分になるとは限りません。
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